叙勲・褒章の服装:ドレスコードに沿って正しく装うポイント

叙勲・褒章の服装:ドレスコードに沿って正しく装うポイント

叙勲・褒章の服装:ドレスコードに沿って正しく装うポイント

 

国や社会のために尽くした人々に贈られる制度に、勲章(くんしょう)や褒章(ほうしょう)があります。そして勲章や褒章の授与は、平成14年8月7日現在日本国憲法第7条に基づき、内閣の助言と承認により天皇が行う国事行為として実施されています。

 

しかし長年の功績をたたえる栄えある受章ではありますが、それに伴う細かい着装規定があります。したがって内示を受けた受章者は、戸惑うことが多いです。

 

たしかに、式に臨んだ際に人と違う服装では浮いてしまいます。そこで、伝達式と拝謁(はいえつ:天皇陛下にお目どおりをいただくこと)にどのような装いをすればよいかをお伝えします。
 

アフタヌーンドレス(正礼装)の基礎知識

百貨店のフォーマル売り場では、叙勲の時期になるとお客さまから「アフタヌーンドレスはどれですか」と聞かれます。

 

お客さまの中には、「アフタヌーンドレス」と聞くとワンピース型で袖の付いたくるぶしが隠れる丈のドレスをイメージされる方がいます。しかし百貨店のフォーマル売り場では、袖のないくるぶし丈のドレスとジャケットを組み合わせたスタイルをお勧めすることが多いです

 

インターネット上では「アフタヌーンドレス」として、長袖(もしくは7分袖丈)のワンピース型のドレスを紹介しているところもあります。

 

それはアフタヌーンドレスはもともとローブモンタント(昼間用の正装として着用される高い立ち襟のドレス)を原型としているためです。(下記イラスト参照)

 

 

 

とくに、ドレスとジャケットを組み合わせたロングアフタヌーンドレスは、ドレス一枚で着用するより体型のカバーが容易にできます。それは、ジャケットでおなか周りを隠すことができるからです。さらに上品で落ち着いた雰囲気になるため、年齢を重ねた方も無理なく着こなすことができます。

 

下記イラストは、昼の正礼装として知られているロングアフタヌーンドレスです。くるぶしが隠れる丈のドレスとジャケットのセットアップで、シルク素材が中心です。柄は地紋(和服地にみられる織模様の一種)など無地に見えるものが一般的です。

 

 

 

さらに百貨店のフォーマル売り場で提案をしているロングアフタヌーンドレスは、単品のコーディネート商品が大半です。このような商品ですと選択肢が広がるので、好みのスタイルが選びやすいです。(下記イラスト参照)

 

上記イラストとシルエットは似ていますが、上記イラストは同素材(おもにシルク素材)のくみあわせであるのに対して下記イラストは、異素材のくみあわせになります。(おもにポリエステル系の素材)

 

このように、単品をくみあわせたアフタヌーンドレスであっても、着丈が長いほどフォーマル度は高くなるため、格式は保てます。

 

 

 

叙勲の装いで本人や男性がモーニングコート着用となれば、まずは上記のような服装をお勧めします。しかし、以前叙勲のお客さまから「ロングドレスを着た人はほとんどいなかった」との声も聞かれました。それはおそらく、色留袖の方が大半で、洋装の方があまりいなかったからだと思います。

 

しかしながら、色留袖に匹敵するのはロングアフタヌーンドレスです。けれども「少し抵抗がある」という方は、ミモレ丈(ふくらはぎ丈)のアフタヌーンドレスをお勧めします。(下記イラスト参照)

 

 

 

ミモレ丈のアフタヌーンドレスとは、女性皇族が園遊会で着用するような服装をいいます。アンサンブルやツーピース型のスタイルがおもで、素材はシルクやシルク混合素材が中心です。

 

柄は紋織(異なる糸を組み合わせて模様を織り出した織物の総称)など、無地感覚のものが基本です。この服装は同素材のくみあわせが一般的で、ロングアフタヌーンドレスと同じように格調高い装いになります。

 

アフタヌーンドレス(正礼装)と平服(準礼装)の違い

ところが、ミモレ丈のアフタヌーンドレスを着用する場合は注意が必要です。それは丈の長さで、平服の服装とみなされる場合があるからです

 

フォーマルは、着丈の長さでフォーマル度が変わります。したがって、ロングアフタヌーンドレスのほうがミモレ丈のアフタヌーンドレスより格調高い装いになります。

 

さらに、「正礼装をワンモチーフとした場合一つを崩すと準礼装となり、ファッション性を加えると略礼装となる」というフォーマルのルールもあります。

 

これらのルールに当てはめると、素材がポリエステル系だったり、異素材の組合せだったりすればその装いはアフタヌーンドレス(正礼装)の装いではありません。

 

先ほども述べましたが、スカートの丈が長ければ丈の長さで格式が保てます。しかしミモレ丈(ふくらはぎ丈)ですと、くるぶし丈に比べてカジュアルになります。

 

したがって男性のモーニングコートと同格に装う場合は、丈の長さに注意をしてシルクなど上質な素材のアフタヌーンドレスを選ぶことが大切です。そして、そのことが正しいドレスコードで装うことにつながります。

 

また、勲章や褒章の種類によっては「平服の装い」で良い場合があります。その場合は、素材をポリエステル系にしたり、異素材を組み合わせたりして装えば平服の装いになります。

 

平服の装いというと、普段着(ニットやデニムなど)の装いと勘違いをする方がいます。しかしあくまでフォーマルで装うことが大切です。

 

下記イラストのように、ミディ丈(ひざが隠れる丈)からミモレ丈(ふくらはぎ丈)のドレス(スカート)とジャケットを合わせた上品な装いを心がけましょう。

 

 

 

このように栄えある叙勲や褒章ではありますが、細かい服装規定があって不安が多いです。さらに、「式に臨んだ際に人と違う服装では浮いてしまう」という心配もあります。

 

しかしここで学んだことを生かせば、ドレスコード(着装ルール)にそった正しい装いができます。自信をもって、伝達式や拝謁に臨んでください。


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