褒章の概要とドレスコード(着装ルール)

褒章の概要とドレスコード(着装ルール)

褒章の概要とドレスコード(着装ルール)

 

日本国憲法を見ると第7条、第7項に天皇の国事行為として「栄典を授与する」とあります。栄典とは、その人の栄誉を表彰するために与えられる特別の待遇のことをいいます。

 

たとえば、よく耳にする叙勲(じょくん)・文化勲章(ぶんかくんしょう)や褒章(ほうしょう)がそれにあたります。

 

また日本国憲法第3条に天皇の国事行為について、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ」とあります。ようするに、政治的責任を負うのは内閣であり、天皇は政治的権力を持たないということになります。

 

したがってそれらの授与式には、国で定められた(総理府告示の勲章等着用規程参照)明確なドレスコード(着装ルール)があります。そのため、そのドレスコードに基づいてふさわしい装いをすることが大切になります。

 

ここでは、褒章の概要と褒章のドレスコード(着装ルール)を見ていきます。

 

褒章の概要

「褒章」と「勲章」は同じように思われますが、「勲章」はその人の生涯をつうじての功績を総合的に判断をして授与されるのに対して、「褒章」は特定の表彰されるべき事績があれば、そのつど授与されるという違いがあります。

 

また褒章は勲章とは異なり、等級はなく褒章の授与対象者別に、リボンの色で識別されたメダルが贈られます。

 

褒章の種類

紅綬褒章(こうじゅほうしょう) 

「自己の危難をかえりみず人命の救助に尽力した方」に授与されます。リボンの色は紅色です。

 

2011年秋の褒章で、川におぼれていた男児を協力して救助した13歳の少年の授与例があります。(2015年現在最年少の受章者)

 

緑綬褒章(りょくじゅほうしょう) 

「長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方」に授与されます。リボンの色は緑色です。

 

2008年に、長年の受刑者更生支援等奉仕者として、芸能人で初めて杉良太郎氏が受章しています。芸歴の長い俳優さんは紫綬褒章の対象となることがおおく、杉氏も翌2009年に紫綬褒章を授与されています。

 

黄綬褒章(おうじゅほうしょう)

「農業、商業、工業等の業務にいそしみ、他の模範となるような技術や事績を有する方」に授与されます。リボンの色は黄色です。

 

多年にわたり水稲農作技術の向上に努力をした、北海道の天崎正太郎氏が栄典制度改正後(1955年)初めて受章者されました。

 

紫綬褒章(しじゅほうしょう)

「科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方」に授与されます。リボンの色は紫色です。

 

長年にわたって活躍する芸能人や芸術家、オリンピックのメダリストに授与されます。有名人が多数受章され、伝達式も東京都内のホテルで盛大に行われるため、報道等において大きく扱われます。

 

藍綬褒章(らんじゅほうしょう)

「会社経営、各種団体での活動を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保健司、民生・児童委員、調停委員等の業務)に尽力した方」に授与されます。リボンの色は藍色です。

 

範囲が広いために毎回褒章の多くを占め、年間では約1000人が受章しています。

 

紺綬褒章(こんじゅほうしょう)

「公益のため私財を寄付した方」に授与されます。リボンの色は紺色です.。

 

昭和55年の授与基準では、公的機関や公益法人(公益を目的として、民間が非営利で設立する法人のことで財団法人や社団法人のなどがある)などへの500万円以上の寄付をした個人、1000万円以上の寄付をした団体が主な対象となっています。

 

褒状(ほうじょう)

「褒章を授与されるかたが団体等である場合」に授与されます。褒状とは賞状のことです。

 

飾版(しょくはん)

「既に褒章を授与された方に更に同種の褒章を授与する場合」に授与されます。

 

遺族迫賞(いぞくはくしょう)

褒章(紺綬褒章を除く)の受賞対象者が死亡した場合、遺族へ銀杯か木杯か褒状(ほうじょう)が授与されるので、これを遺族迫賞と言います。

 

紅綬褒章・緑綬褒章・黄綬褒章・紫綬褒章・藍綬褒章は、勲章と同様、毎年4月29日(昭和の日)および11月3日(文化の日)に発令され、これらを「春秋褒章」と呼びます。

 

そして紺綬褒章は他の褒章のように春秋褒章として行われるのではなく、寄付の発生にあわせて、毎月1回発令されます。

 

※上記内閣府(褒章の種類及び授与対象)・ウィキペディア(フリー百科事典)引用 

 

褒章のドレスコード(着装ルール)

褒章の受章者は、伝達式の終了後、配偶者同伴で天皇陛下に拝謁(はいえつ:天皇陛下にお目どおりを頂くこと)します。それによって、内閣府においても「勲章等着用規程」というものがあります。

 

この勲章等着用規程に、「2等以下の勲章若しくは文化勲章、褒章又は記章を着用する場合には、男子にあっては紋付羽織袴若しくはフロックコート(上着の着丈が膝まである伝統的な昼の正礼服)もしくはモーニングコート又はこれらに相当する制服に、女子にあつては白襟紋付又はこれに相当する制服を着用する」

 

さらに「4等以下の勲章、褒章、又は記章を着用する場合には平服に着用することができる」とあります。

 

そのため、男性のモーニングコートに合わせて、女性はロングアフタヌーンドレスを着用することが最も望ましいです。

 

ただし、功績によって種類がまちまちなのが褒章です。褒章には等級はないのですが、紫綬褒章、紅綬褒章、緑綬褒章を受章された方は、その褒章の性質上スーツや仕事着、ユニフォームの方もいます。(下記イラスト参照)

 

そして紺綬褒章に受章者は、寄付の発生にあわせて地方で授与式が行われますので、下記イラストのような平服を着用する方が大半です。

 

また、注意したいのは平服の意味です。平服とは普段着(デニムやニットなどのカジュアルな服装)ではなく、ロングアフタヌーンドレス(正礼装)ではないという意味です。最低限ひざが隠れる丈のドレス(スカート)とジャケットを組み合わせた装いが必要です。(下記イラスト参照)

 

 

 

黄綬褒章・藍綬褒章は、ある程度公共事業の功績者や、社会的地位がある方が中心となっているため、モーニングコートやロングアフタヌーンドレスの着用の方が多くなります。(下記イラスト参照)

 

ロングアフタヌーンドレスとは、一般的にくるぶし丈の長いドレス(スカート)とジャケットを組み合わせたものをいいます。素材はシルクがもっとも相応しいですが、ポリエステル系の素材でも問題ありません。

 

 

 
このようにドレスコード(着装ルール)が細かく定められておりますが、何を着ればよいか分かりにくいのが褒章の装いです。

 

したがって本人が受章した場合はもちろんのこと、配偶者が受章した場合もドレスコードにそったふさわしい装いをすることが大切です。

 

栄えある褒章の伝達式ですので、その場に相応しいフォーマルウェアを把握したうえで、正しい装いをしましょう。


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