
天皇・皇后両陛下が「皇室の公的行事」として主催する催しに、園遊会(えんゆうかい)があります。これは庭園で開く接待の宴のことで、毎年春と秋の2回赤坂御苑(あかさかぎょえん)で催されます。
園遊会はメディアが入ることができる宮中の催しで、その様子を私たちはテレビを通して見ることができます。そのため、園遊会を身近に感じる人は多いです。
したがって、招待された芸能人やオリンピックメダリストに対して、「この人の着物は素敵だ」とか「あの人の装いはマナーに反している」とか、何かと話題にしやすいです。
特に2010年春の園遊会では、フィギアスケートの浅田真央さんの装いが話題になりました。
では、園遊会の参加者はどのような装いで臨めばよいのでしょうか。また、園遊会のような「野外で行われる社交場」と「室内で行われる社交場」では、装い方に違いがあるのでしょうか。
そこでこのページでは園遊会のドレスコードに着目し、野外の社交場での装いについてもお伝えします。その前に園遊会の概要を見ていきましょう。
「園遊会」とは、天皇・皇后が主催する野外での社交界(宴会)のことを言います。皇太子をはじめ各皇族も列席する催しで、接待客は次のようになっています。
「内閣総理大臣」「国務大臣」「衆議院議長・参議院議長及び副議長」「主な国会議員」「統合幕僚長(陸海空自衛隊自衛官の最高位者)」「最高裁判所長官」「裁判官」
その他に「認証官など三権各機関の要人(広く言えば国家公務員)」「都道府県の知事・都道府県議会の議長」「市町村の首長・議会の議長」「各界の著名人(芸能人や著者など)」「功績者(勲章の受章者やメダリストなど)とその配偶者を含めた約2,000名が招かれます。
(出典:フリー百科辞典ウィキペディア)
近代(明治維新1868年~太平洋戦争の終結1945年まで)、天皇が主催する戸外での宴会としては、1880年(明治13年)に「観菊会」1881年(明治14年)に「観桜会」が始められました。
条約改正への対外的な文化・世論工作の一環として井上馨外務卿(いのうえかおる/外務大臣)が発案し、当初から多くの外国人が参加したそうです。
「エドワード英王太子」「物理学者のアインシュタイン」「ヘレン・ケラー」といった著名人のほか、無名の旅行者もいたとのことです。
しかし日中戦争に伴い、「観菊会」が1937年に、「観桜会」が1938年にそれぞれ中止されました。
「園遊会」の名称で行われる行事は、1953年から始まったそうです。
当初は秋に限り行われていましたが、1965年から春にも行われるようになりそれぞれ「秋の園遊会」「春の園遊会」と呼ばれ、赤坂御苑で催されることが通例となっています。
また招待者は、各国の外交使節団の団長以下の外交官や、各国領事館の館長と、その配偶者、令嬢も招待されます。
なお昭和天皇の病気・崩御により1988年秋と1989年春秋の園遊会が、1995年1月の阪神・淡路大震災により1995年春の園遊会が、香淳皇后(こうじゅんこうごう/第124代天皇・昭和天皇の皇后)崩御(ほうぎょ)により2000年秋の園遊会が中止になり
2011年3月の東日本大震災により2011年春の園遊会が、2016年10月の三笠宮崇仁親王(みかさのみやたかひとしんのう/昭和天皇の末弟)の薨去(こうきょ/親王または三位以上の人が亡くなること)により2016年秋の園遊会が、それぞれ中止になりました。
第二次世界大戦前の「観桜会」「観菊会」は、現在ではそれぞれ、内閣総理大臣が主催する「桜を見る会」と、環境大臣が主催する「菊を観る会」に受け継がれています。
(出典:フリー百科辞典ウィキペディア)
「園遊会」は広い意味での「ガーデンパーティー」のことで、19世紀後半にイギリスで行われるようになりました。
庭園の美しい時期に「自宅」や「別荘の庭園」あるいは「著名な庭」に多数の客を招き、軽食や音楽などでもてなしたそうです。
そして日本の園遊会は、それをお手本として開かれるようになりました。
1880年の秋に「明治天皇」が外交官接待のため,赤坂離宮で観菊会(翌年から春の観桜会)を催したのが始まりとされています。
したがって、その趣旨を受け継ぎ、園遊会で振る舞われる食事も「オードブル」「サンドイッチ」「フルーツカクテル」「洋菓子」などですが、肉料理は「ジンギスカン」と「焼き鳥」のみだそうです。
これは、宗教上の理由から牛や豚を食べられない外国の招待客への配慮だそうで、国際儀礼(プロトコール)に基づいています。
【国際儀礼(プロトコール)】とは
海外のお客様を迎えるための服装や席順など、国際的な基本儀礼やエチケットのことで外交をスムーズに推進するための潤滑油の役割を持ちます。
たとえば、国の象徴である国旗の取り扱いに気をつけたり、行事主催者の服装指定に従ったりすることも国際儀礼になります。
下の表は国際儀礼に基づく礼装区分です。(注)時代の流れで、女性のドレスコードの幅が広くなり曖昧になりつつあります。
| 男性 | 女性 | |
| <夜・正礼装> | ホワイトタイ(燕尾服) | ロングイブニングドレス(ヒール丈またはトレーン丈(引き裾)) |
| <夜・準礼装> | ブラックタイ(タキシード) | セミイブニングドレスまたはディナードレス(くるぶし丈またはヒール丈が正式。最近ではショート丈も可) |
| <昼・正礼装> | モーニングコート | アフタヌーンドレス |
| <昼/夜・略礼装> | 平服(ダークスーツ、ラウンジスーツ/背広) | 平服(ワンピース/スーツ等) |
(出典:外務省 プロトコールの基本より)
赤坂御苑で行われる園遊会の主催者は、天皇・皇后両陛下です。そのため、お招きにあずかる著名人やその他の方はゲストの立場です。
ゲストは、諸外国のお客さまもお見えになりますので、国際儀礼の着装ルールに基づいて装います。
装いはゲストの正装になるため、天皇・皇后両陛下の装いが正礼装でも、その装いと同じ「格」にする必要はありません。
園遊会の服装は下記のようになっています。
| ドレスコード | |
| 男性 | モーニングコート・紋付羽織袴・制服または背広 |
| 女性 | デイドレス・白襟紋付または訪問着等 |
園遊会は日中行われる野外の行事のためモーニングコートが基本ではありますが、多くの方が参加する場でもあるため背広の着用も認められています。
なお、女性の服装は男性の服装と「格」を合わせます。
けれども女性のドレスコードは幅が広いため、男性がモーニングコートやディレクターズスーツであっても、女性はデイドレスでOKです。
それでは具体的にどのような装いが相応しいか、見ていきましょう。
園遊会は野外の行事のため、「正礼装」から「略礼装」まで幅が広いです。
したがって男性は「モーニングコート」「紋付羽織袴」が基本のスタイルですが、さまざまな年齢の方が参加する場であるため「制服」または「背広」も認められています
【男性の正礼装】
男性の正礼装「モーニングコート」の装いです。やはり、この装いが圧倒的に多いです。
【男性の準礼装】
男性の準礼装「ディレクターズスーツ」の装いです。若々しくスタイリッシュに決まるので、人気があります。
【男性の略礼装】
男性の略礼装として背広が認められています。
女性の服装は、「デイドレス」「白襟紋付(色留袖)」又は「訪問着」が相応しいとされています。
また女性の「デイドレス」はあまり聞かれない服装であるため、分からない方が大半だと思います。
外務省ホームページ(国際儀礼の基礎講座)にデイドレスについて記されていましたので、抜粋して紹介します。
【デイドレス】
デイドレスとは、ふつう丈のスーツ、ワンピース、アンサンブルのことです。襟元があまり開いておらず、袖も長袖か7~8分袖などで、肌を露出するような形を避けます。
また、日中はきらきら光る宝石やラメなどの光る素材の服や小物は身につけないようにします。
色は自由ですが、結婚式では花嫁と同じ白一色を避けること、また弔事以外の行事では黒一色を避けることが無難です。
とあります。ようするに昼の装いでロングアフタヌーンドレスを除いた「アフタヌーンドレス」「ワンピース」「スーツ」の装いすべてを、「デイドレス」と考えてよいと思います。
したがって、昼の装いとして婦人服売り場に並ぶようなスーツ(アンサンブル)の装いもOKです。
【女性の正礼装】
女性の正礼装「色留袖」の装いです。
下イラストは、女性皇族が園遊会の場でお召しになられる格調高い装いをイメージして記したものです。この装いを基準に、デイドレスの装いを考えると分かりやすいと思います。

【女性の準礼装】
女性の準礼装「訪問着」の装いです。園遊会では、色留袖より訪問着の方のほうが多いです。
下画像は、もっともフォーマル度が高いデイドレスです。フェミニンなフラワー柄を織り込んだ格調高いスーツで、アフタヌーンドレスに近いデイドレスです。
参考までにスカート丈は71.5センチです。(こちらはレンタル商品です)
下画像は、東京ソワールのフォーマルで装うデイドレスです。フォーマルジャケットとミモレ丈(スカート丈72センチ)のスカートをコーディネートして装います。
下画像は、東京ソワールのフォーマルジャケットとフォーマルワンピースのセットアップです。ドレス丈107センチです。
上画像のフォーマルジャケットとフォーマルスカートのセットアップと比べて、ドレス丈が短いためフォーマル度は下がります。
【女性略礼装】
女性の略礼装、「デイドレス」の装いです。デイドレスの定義は曖昧で、準礼装(正礼装を含む)から略礼装まで昼間着用するスーツ・ワンピース・アンサンブルは全てデイドレスです。
下画像は、フォーマルジャケットとフォーマルスカート(ドレス)の装いと比べてフォーマル度は下がりますが、こちらもデイドレスとしてお召しいただけます。(こちらはレンタル商品です)ドレス着丈108センチです
上画像の色違いです。園遊会は日中行われる野外の行事のため、明るい色の洋服は映えます。ドレス着丈108センチです
婦人服売り場でよく見かけるスーツです。この装いもデイドレスです。しかし、スカート丈が極端に短い洋服はNGです。
ちなみに下画像のスーツはスカート丈65センチです。
アシンメトリーなショールカラーが上品なデイドレスです。スカート丈60センチです。
画像でさまざまなタイプのデイドレスを紹介いたしました。このように、デイドレスの定義はあいまいです。
「デイドレス」の解説でもありましたが、日中行われる野外の行事のためキラキラ光るネックレスやバッグは相応しくありません。
なぜなら光る素材は、シャンデリアの明かりには映えますが、太陽の下ではキレイに見えないからです。また、野外のため履きなれた靴を使用しましょう。
8ミリ玉貝パールのネックレスです。白を付けます。
シンプルで使いやすいバッグ。ホテルでのお食事や、お子様の学校行事、またフォーマルなシーンに気品を添えてくれるデザインです。
冠婚葬祭からお子様の学校行事、お受験や父母会、謝恩会など、フォーマルな装いに最適なハンドバッグです。
また園遊会は春と秋に催されますが、庭園での宴のためコートが必要になるほど寒い時があります。その場合は、コートの着用が認められるのか気になります。
天皇・皇后両陛下がコートを召されていないのに、「自分たちが着てもいいのか」と判断がつきにくいです。
しかしフォーマルシーンでコートの着用はみとめられていますので、寒いときは我慢をする必要はありません(天皇・皇后両陛下がお通りになるときは、コートを脱いだ方がスマートです)。
では、慶事(けいじ)で着用する女性のフォーマルコートとはどのようなものでしょうか。
慶事用のフォーマルコートにもドレスコード(着用ルール)があり、昼のコートの装いはシルク素材のドレッシーなデザインが正式とされています。
しかし、準礼装(セミフォーマル)の装いとして、スポーティーな素材やデザインを避ければ街着兼用でもよいです。
そのため、素材やデザインを考慮すれば、園遊会は手持ちのコートを着用することも可能です。
以下、フォーマルシーンでも使えるコートを紹介します。
下画像はシンプルなステンカラーの薄手コートです。表地は、はっ水機能のある綿55% ナイロン45% で、総裏仕様 キュプラ100% です。
中肉厚で軽く張りのあるしっかりした風合いで、秋冬・春先用として使えます。また色は黒ですので、卒・入学やお受験またあらゆるフォーマルシーンにも着用できます。
下画像は、素材 (表地)ポリエステル56%綿44% (裏地)キュプラ100%で、 春秋に重宝するダークネイビーのトレンチコートです。
下画像はブラックフォーマルのコートですが、プライベートや仕事、慶弔用など様々なシーンで着用できます。
また取り外しのできるキルトライナー付きで、春秋冬シーズン対応可能です。素材は、(表地)ポリエステル100% (中綿)ポリエステル100% (裏地)ポリエステル100%です。
ウール素材のストールやケープもセミフォーマルとして認められていますので、羽織りものとしてお勧めできます。
このように庭園で行われる園遊会では、雨が降ったり寒かったりと天候に左右されます。
したがって、ドレスコードを踏まえたうえで、ゲストの立場としてふさわしい装いで臨みましょう。
上記で、園遊会の装いを紹介しました。けれども、一般の市民には縁がなくテレビで見るだけで終わる方がほとんどではないでしょうか。
しかし、フォーマルの装いは一定のルールがありそのルールさえ分かれば、様々なシーンで応用ができます。
たとえば園遊会は庭園で行われるフォーマルな行事ですので、野外で行われる「ガーデンパーティーで何を着たらよいのだろう」と、迷ったときの参考になります。
また、フォーマルシーンでは主催者の装いを把握することも大切で、主催者より「格下の装い」が服装を選ぶときの判断材料になります。
このようにさまざまなフォーマルシーンでの装いを知れば、「失礼な装いをしてしまった!」ということはなくなります。
とくにこのページでは、園遊会で着るデイドレスの装いマナー中心にお伝えしました。
せっかくの機会です。園遊会に参加される方の装いをしっかりチェックして、自身のフォーマルシーンに活かして頂けると嬉しいです。

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