褒章の概要とドレスコード(着装ルール)

 

「勲章」と同時期(4月29日と11月3日)に政府より授与される栄典に「褒章」があります。そのため褒章と勲章は同じように思われる方がいるかもしれません。

 

けれども、「勲章」はその人の生涯をつうじての功績を総合的に判断して授与される栄典であるのに対し、「褒章」は特定の表彰されるべき事績があればそのつど授与される栄典です。

 

ゆえに、公務員以外の方が授与されるので「民間人の勲章」ともいわれています。

 

しかしさまざまな立場の方が受章される褒章は、ドレスコードの幅が広くあいまいで、「何を着るべきか」と迷います。

 

そこで、このページでは褒章の概要をお伝えするとともに、授与される褒章の種類に合わせた装いを画像で紹介いたします。

 

褒章の種類と授与対象

褒章は、明治14(1881)年12月の「褒章条例」(太政管布告第63号)の制定に始まり創設から長い歴史と伝統を有しています。

 

「紅綬褒章(こうじゅほうしょう)」「緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)」「藍綬褒章(らんじゅほうしょう)」が制定されたのが始まりで以降、大正7年に「紺綬褒章(こんじゅほうしょう)」、昭和30年に「黄綬褒章(おうじゅほうしょう)」「紫綬褒章(しじゅほうしょう)」が制定され、現在に至っています。

 

褒章のデザインは、「褒章」の二字を桜の花で飾った円形のメダルで、綬の色(紅、緑、黄、紫、藍、紺)により区分されています。

 

まずは、褒章の種類とどのような方が授与されるのかを見ていきましょう。(出典) 内閣府ホームページ (勲章・褒章)

 

褒章の種類と授与対象

種類 授与対象
紅綬褒章

自己の危難をかえりみず人命の救助に尽力した方

 

2011年秋の褒章で、川におぼれていた男児を協力して救助した13歳の少年の授与例があります。(2015年現在最年少の受章者)

緑綬褒章

長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方

 

2008年に、長年の受刑者更生支援等奉仕者として、芸能人で初めて杉良太郎氏が受章しています。

 

芸歴の長い俳優さんは紫綬褒章の対象となることがおおく、杉氏も翌2009年に紫綬褒章を授与されています。

黄綬褒章

農業、商業、工業等の業務にいそしみ、他の模範となるような技術や事績を有する方

 

多年にわたり水稲農作技術の向上に努力をした、北海道の天崎正太郎氏が栄典制度改正後(1955年)初めて受章者されました。

紫綬褒章

科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方

 

長年にわたって活躍する芸能人や芸術家、オリンピックのメダリストに授与されます。有名人が多数受章され、伝達式も東京都内のホテルで盛大に行われます。

 

したがって、報道等において大きく扱われます。

藍綬褒章

・会社経営、各種団体での活動を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方

 

・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保健司、民生・児童委員、調停委員等の業務)に尽力した方

 

範囲が広いために毎回褒章の多くを占め、年間では約1000人が受章しています。

紺綬褒章

公益のため私財を寄付した方

 

昭和55年の授与基準では、公的機関や公益法人(公益を目的として、民間が非営利で設立する法人のことです。

 

財団法人や社団法人のなどがある)などへの500万円以上の寄付をした個人、1000万円以上の寄付をした団体が主な対象となっています。


飾版

既に褒章を授与された方に更に同種の褒章を授与する場合

 

すでに褒章を授与された方が、2度以上同様の理由で褒章を授与されるときは、そのつど銀色の飾版(しょくはん、金属の板)が授与されます。

 

また、この飾版(銀色)が5個以上に達したときは、5個ごとに別種の金色の飾版と引き換えて授与されます。

 

※上記内閣府ホームページ(褒章の種類及び授与対象)より引用 

 

褒章のドレスコード(着装ルール)

褒章の受章者は、伝達式の終了後、配偶者同伴で天皇陛下に拝謁(はいえつ:天皇陛下にお目どおりを頂くこと)します。それによって、内閣府においても「勲章等着用規程」というものがあります。

 

この勲章等着用規程に、「旭日重光章・瑞宝重光章以下の勲章若しくは文化勲章、褒章又は記章を着用する場合には、男子にあっては紋付羽織袴若しくはフロックコート(上着の着丈が膝まである伝統的な昼の正礼服)もしくはモーニングコート又はこれらに相当する制服に、女子にあっては白襟紋付又はこれに相当する制服を着用する」

 

さらに「旭日中綬章・瑞宝中綬章以下の勲章、褒章、又は記章を着用する場合には平服に着用することができる」とあります。

 

このように授与される勲章や褒章の種類によって、ドレスコードが異なります。下記の表を参考にしてください。

叙勲・勲章の種類 受章者の服装 礼装区分
大勲位菊花章頸飾・大勲位菊花大綬章・桐花大綬章・旭日大綬章・瑞宝大綬章・宝冠大綬章

男性(燕尾服 )

 

女性(ローブデコルテ・ローブモンタント)

正礼装
旭日重光章・瑞宝重光章・文化勲章

男性(燕尾服・羽織袴紋付・フロックコート・モーニングコート)

 

女性(ロングアフタヌーンドレス・白襟紋付)

正礼装
旭日中綬章・旭日小綬章・旭日双光章・旭日単光章・瑞宝中綬章・瑞宝小綬章・瑞宝双光章・瑞宝単光章     

男性(羽織袴紋付・モーニングコート)

 

女性(ロングドレス・白襟紋付・スーツ・訪問着)

男性(正礼装)

 

女性(正礼装・準礼装・略礼装)

 

※この場合「略礼装(平服)」とは、普段着ではなくフォーマルな装いのことですので注意してください

褒章(紅綬褒章・緑綬褒章・黄綬褒章・紫綬褒章・藍綬褒章・紺綬褒章)

男性(羽織袴紋付・モーニングコート・スーツ)

 

女性(ロングドレス・白襟紋付・スーツ・訪問着)

男性(正礼装・準礼装・略礼装)

 

女性(正礼装・準礼装・略礼装)

(注) 平成28年政府が発表した「時代の変化に対応した授与の見なおし」より女性受章者のドレスコードの幅が広くなっています。

 

着用規程からすると男性のモーニングコートに合わせて、女性はロングアフタヌーンドレスを着用することが望ましいです。

 

けれども、功績によって種類がまちまちなのが褒章です。褒章には等級はないのですが、紅綬褒章・緑綬褒章・紫綬褒章を受章される方は、その褒章の性質上スーツや仕事着、ユニフォームの方もいます。(下記イラスト参照)

 

 

また黄綬褒章・藍綬褒章は、ある程度公共事業の功績者や、社会的地位がある方が中心となっているため、モーニングコートやロングドレス着用の方が多くなります。(下記イラスト参照)

 

 

それではもう少し具体的にどのような装いをすればよいか見ていきましょう。

 

紅綬褒章・緑綬褒章・紫綬褒章受章者の装い〜準礼装・略礼装

数ある褒章受章者の中でも、「紅綬褒章(こうじゅほうしょう)」「緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)」「紫綬褒章(しじゅほうしょう)」を受賞された方は、平服(準礼装・略礼装)の方が多いです。

 

なかでも「紅綬褒章」は人命救助に尽力した方が授与対象で、「消防庁員」のほか「川でおぼれた方を救助する」など一般人の授与者が多い褒章です。

 

また「緑綬褒章」はボランティア活動など社会福祉活動に従事をした方が授与対象でこちらも一般人の授与者が多いです。

 

そして「紫綬褒章」は、50歳以上が対象という年齢制限が2002年に撤廃され、それ以降若いオリンピックメダリストや芸能人が数多く受章されています。

 

したがってこれらの受章者の特徴をみると、伝達式や拝謁であってもモーニングコートの着用は少なく、スーツや仕事着またはユニフォームを着用する方が多いです。

 

【男性受章者の装い〜準礼装】

 

ブラックスーツは、黒のビジネススーツとは異なります。冠婚葬祭に着用する、黒のスーツです。

 

 

【女性受章者の装い〜準礼装】

 

訪問着の装い

 

準礼装の装いは、ジャケットとスカート(ドレス)をコーディネートして装います。なおスカート丈は、ロング(約87センチ)からミモレ(約74センチ)まで幅が広いです。ちなみに下画像のスカート丈は74センチです。

 

 

下画像はスカート丈84センチです。(こちらはレンタル商品です)

 

 

【男性受章者の装い〜略礼装】

 

 

【女性受章者の装い〜略礼装】

 

略礼装といっても、準礼装に近い装い(フォーマルで装う)から婦人服売り場に並ぶスーツ(アンサンブル)の装いまで女性はドレスコードの幅が広く曖昧です。

 

下画像アンサンブルはフォーマルの装いで準礼装に近いです。ワンピース丈は107センチです。

 

 

下画像のアンサンブルも準礼装に近い装いです。参考までにワンピース丈は102センチです。

 

 

下画像のスーツは、略礼装の装いとして婦人服売り場でよく見かけるスタイリングです。

 

婦人服売り場の洋服を選ぶときに注意する点は、スカート(ドレス)の長さです。下画像のスカート丈は61センチで、フォーマルで着用するぎりぎりの長さです。

 

また素材やデザインも、カジュアルにならないように注意しましょう。

 

なお前を開けてインナーを見せる着用方法は、フォーマルで装う場合カジュアルになるのであまりお勧めできません。ボタンのあるものは、きちんと前でボタンを留めて着用するのが基本です。

 

 

上画像のスーツと比べるとフォーマル度は高くなりますが、こちらの装いも略礼装です。ちなみにこちらのスカート丈は、63センチです。

 

 

黄綬褒章・藍綬褒章受章者の装い〜正礼装・準礼装

また黄綬褒章・藍綬褒章は、ある程度公共事業の功績者や、社会的地位がある方が中心となっているため、モーニングコートやロングドレス着用の方が多くなります。

 

【男性受章者の装い〜正礼装】

 

 

【女性受章者の装い〜正礼装】

 

下画像は、五つ紋の色留袖です。正礼装としてお召しいただけます。

 

 

下記画像はロングドレス(正礼装=ロングアフタヌーンドレス)で、色留袖と同格の装いになります。(こちらはレンタル商品です)

 

 

【男性受章者の装い〜準礼装】

 

下画像は、ディレクターズスーツ。モーニングコートの代わりとしてお召しいただけます。

 

 

【女性受章者の装い〜準礼装】

 

下画像は、訪問着。準礼装の装いになります。

 

 

下の画像はフォーマルジャケットとロングスカートをコーディネートしたアフタヌーンドレスの代わりとして着用できるフォーマルウェアです。

 

なお、このスカートの丈は87センチで和装の訪問着(上画像)と同格「正礼装に近い準礼装」の装いになります。

 

 

男性受章者の装いと女性受章者の装いを紹介しましたが、配偶者の装いであっても女性は男性の格に合わせて装います。

 

フォーマル小物で格上げをする

フォーマルの小物も、礼装区分があります。しかし、略礼装の装いにカジュアルな小物を合わせてしまうと普段の装いと変わらなくなってしまうため、略礼装の装いでも、準礼装以上の小物を合わせましょう。

 

【ネックレス】

 

8ミリ玉の貝パールネックレスです。フォーマルで装う場合は、パールのネックレスが基本です。

 

 

同じパールでも、下画像のようなデザインネックレスはカジュアルになるので、褒章伝達式や拝謁では使いません。

 

 

【バッグ】

 

フォーマルバッグは、もともとドレスを仕立てるときのあまり布でバッグを作った経緯から、フォーマルバッグは布製と決まっていました。

 

 

けれども下画像の革バッグなら、フォーマル用として持てます。

 

 

下画像のようなトートバッグは、カジュアルになるのでお勧めできません。

 

 

ドレスコードの分かりにくい褒章の装いは、フォーマルのマナーの添った装いが大切

このようにドレスコード(着装ルール)が細かく定められておりますが、何を着ればよいか分かりにくいのが褒章の装いです。

 

したがって本人が受章した場合はもちろんのこと、配偶者の場合もドレスコードにそった装いをすることが大切です。

 

栄えある褒章の伝達式や拝謁ですので、その場に相応しいフォーマルウェアを把握したうえで、正しい装いをしましょう。

 

大人女性が自分に適したフォーマルウェアを見つけるには、「フォーマルドレス・ワンピ通販サイト」や「レンタルドレス・ワンピ通販サイト」がお勧めです。

 

カジュアルな服装が主流な近年、「フォーマルウェアにお金をかけたくない」という方が増えてきたからです。

 

けれども、フォーマルウェアは、相手の気持ちや周りの人々のことを常に配慮して装うことを求められる洋服です。そのことを理解したうえで、自分に適したフォーマルウェアを探すことが大切です。

 

そこでこのサイトでは、価格以上の価値があるフォーマルウェアを厳選して紹介しています。ぜひあなたらしいフォーマルウェアを見つけてください。

 

 

 

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