叙勲・褒章の服装:ドレスコードを知って洋装か和装かを決める

叙勲・褒章の服装:ドレスコードを知って洋装か和装かを決める

叙勲・褒章の服装:ドレスコードを知って洋装か和装かを決める

 

叙勲の通知を受けた方は、洋装にするか、和装にするか悩むことが多いです。確かに和装の方が大半で、洋装はルールに沿っていないのではないかと不安になる方がいるかも知れません。しかし、必ず着物で装うというルールはないので、自由に選ぶことができます。

 

そこでここでは、洋装と和装の「よい所」と「気になる所」を伝えますので、選ぶときの参考にして下さい。その前に、叙勲のドレスコード(着用ルール)を把握しておくと洋装にするか和装にするか判断がしやすいので、まずはドレスコードからお伝えします。

 

叙勲のドレスコードを知って洋装か和装かを決める

数ある勲章の中でも、大勲位菊花章頸飾(だいくんいきっかしょうけいしょく)・大勲位菊花大綬章(だいくんいきっかだいじゅしょう)・桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)・旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)・瑞宝大綬章(ずいほうだいじゅしょう)は、宮中において天皇陛下から直接親受される勲章です。

 

したがって、親授式は正礼装で装います。男性は燕尾服(えんびふく)、女性はローブデコルテ(イブニングドレス)かローブモンタント(ロングアフタヌーンドレス)と決められています。そのため、着物の着用は認められていません。

 

2010年秋女性初として桐花大授章を受章された扇千景さんが、親授式でアイボリーのローブモンタントを着たのを記憶している方もいると思います。まさにその装いが、これらの親授式の女性の装いになります。(下記イラスト参照)

 

 

 

また、文化勲章(ぶんかくんしょう)・旭日重光章(きょくじつじゅうこうしょう)・瑞宝重光章(ずいほうじゅうこうしょう)の勲章受章者は、男性はモーニングコート、女性はローブモンタント(ロングアフタヌーンドレス)か色留袖で装います。(下記イラスト参照)

 

ロングアフタヌーンドレスは、昼の正礼装で色留袖と同格の装いです。ワンピース(ローブモンタント)が正式ですがアンサンブルやスーツのスタイルでもよく、着まわしができるアンサンブルやスーツスタイルを選ぶと重宝します。

 

 

 

そして、旭日中綬章(きょくじつちゅうじゅしょう)・瑞宝中綬章(ずいほうちゅうじゅしょう)以下小綬章(しょうじゅしょう)・双光章(そうこうしょう)・単光章(たんこうしょう)・褒章(ほうしょう)の受章者は、男性はモーニングコート、女性はロングアフタヌーンドレスか色留袖が望ましいですが、平服も着用できるとあります。
 
平服の装いとは、普段着という意味ではありません。フォーマルのドレスコードを当てはめた場合、準礼装と同じと考えると間違いがないです。

 

ロングアフタヌーンドレスと一番の違いは、ドレス丈(スカート丈)です。ロングアフタヌーンドレスがくるぶしが隠れるくらいの丈であるのに対して、平服で装う場合はミモレ丈(ふくらはぎ丈)からミディ丈(ひざが隠れる丈)の長さになります。(下記イラスト参照)

 

 

 

したがって、平服の着用が認められている受章者が着物にするか、洋服にするか、また洋服ならどのような装いがよいか悩むようです。そこでまずは、和装と洋装の「よい所」と「気になる所」を比較して解説します。
 

和装と洋装の「よい所」と「気になる所」

最近は叙勲の季節になると、その近辺のホテルは、叙勲や褒章の方をターゲットにした「叙勲、褒章プラン」を組んでいます。

 

ホテルでは色留袖を借りたり、着付けのサービスを受けたりすることができます。そのため、色留袖を着用される方はとても多いです。

 

色留袖は、黒留袖と異なりとても華やかです。また、柄で若々しさや可愛らしさも表現することができます。

 

それに比べて、洋装の正礼装はデザインのバリエーションが少ないです。そして、シルク素材で高級感はありますが、ベーシックな色が大半で落ちついた印象になります。

 

さらに、百貨店のフォーマル売り場の多くは正礼装の扱いが少なく、選ぶのに苦労します。そのように気になる所がありますが、着物のような締め付け感がなく、気心地がいいのは洋装の良さです

 

着物を着る機会がほとんどない方にとって、着物の窮屈感を苦痛と感じる人は多いです。また自分で着物を着ることが苦手な人は、着付けに時間がかかります。その点、洋装は着付ける必要がなく手間が省けます。

 

そのようにそれぞれ一長一短はあります。しかし百貨店のフォーマル売り場にいた私の立場から見ると、洋服は装い方を変えれば、より気軽に着こなすことができるのでお勧めです。

 

そこで、洋装の良さを知っていただくために、単品を組み合わせて正礼装として装う方法をお伝えします。その装いを知ることにより、洋装の良さが理解できます。

 

単品を組み合わせて正礼装の代わりとして装う方法

正礼装のロングアフタヌーンドレスというと、シルク素材が中心で価格もかなり高額になります。しかしそれにかわる装いとして、単品をコーディネートする方法があります。

 

「同素材のジャケットとドレス(スカート)を組み合わせる装い」や「素材の違うジャケットとドレス(スカート)をあわせる装い」が単品コーディネートの装いです。

 

百貨店のフォーマル売り場にある洋服の大半が単品であるため、着こなしの幅が広がります。若々しい着こなしや、すっきりとシンプルな着こなし・エレガントな着こなしと好みのスタイルが選べます

 

さらに、男性がモーニングコートではなくスーツを着る場合、女性はドレス(スカート)の丈をくるぶし丈にするのではなく、ふくらはぎ丈にして男性と同じ格で装えます。

 

また、ドレス(スカート)の素材はポリエステル系素材が中心で、ジャケットとドレス(スカート)を合わせても、価格を大幅におさえることができます。

 

ただ、この装いでは格式が保たれるのか気になる所です。しかし、ドレス(スカート)の丈をくるぶし丈にして装えば、正礼装として問題なく装うことができます。

 

 

 

百貨店のフォーマル売り場で、叙勲の装いとしてドレス(スカート)の色を黒で勧める販売員がいますが、私個人の意見としては、黒以外の色でコーディネートすることをお勧めします。(黒のドレスやスカートとスーツに見える黒のジャケットのコーディネートは、叙勲の装いとして間違いではありません)

 

それは和装の色留袖と同じ装いとして、色を合わせた装いが正しいからです。したがって黒のドレスで合わせる装いは、黒留袖と同じ装いになります。

 

このように洋装は着こなし方を少し工夫することで、コーディネートの幅が広がって自分らしさを演出することができます。

 

着物で装うか洋服で装うかは、人それぞれです。和装と洋装の「良い所」「気になる所」を考慮しつつ、自分にあったスタイルで装いましょう。


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